2014年4月25日金曜日

西宮北口サンボアカレー(インベロ)

インベロという食い物をご存知だろうか?



一言で言うと、アシッドでサイケデリックなアフリカルーツのカレーである。その味は、日本のカレー、インドのカレー、タイカレーとは根本的かつ革命的に異なっている。

今から30年以上前、このインベロというカレーを食わせる店が西宮北口にあった。君臨していたといっていい。想像を絶する、そして習慣性のあるカレーであった。その店の名は「サンボア」という。一口食べると本能が危ないと脳髄に語りかける、そんな味だった。が、サンボアは平成の始めに閉店し、店主の行方はわからなくなり(多分存命していないはず)、幻かつ伝説の味となってしまった。

当時の店の雰囲気を物語るよすがとして、このWebサイトが唯一無二の語り部となっている。

そしてこの味をかろうじて覚えている当時の若者は、心の片隅で二度と味わえないインベロをもう一度死ぬ前に味わってみたいと、そう思っているに違いない。それぐらい、人間の実存に訴えかえる、ロックな食い物として記憶されていた。

しかし、あろうことにこの味を再現した、100%そうではないものの何とか再現に近づけたインベロを食わせる店が、芦屋駅から歩いて5分ぐらいのところにできたのである、平成も20年を過ぎたこの現代に、唐突に蘇ったといっていい。奇蹟の中の奇蹟、という表現も霞む、宗教的出来事といっても過言ではない。

それが「グラス」である。店名も、アナーキーでロックではないか。

この味を体験せずに死ぬことは、生きていないことに等しい。サンボアの体験者は、感涙すること間違いなし。未体験者は、記憶に無いはずの60年代フラワームーブメントを思い起こすであろう。

これ以上何も言うまい。語るまい。経験して、そして嗚咽していただきたい。