2015年4月13日月曜日

25年ぶりの家庭教師/オッサンになってから思う効率のいい受験勉強法

学生時代はけっこうな人数の子供を家庭教師として教えた。6年間で30人以上。社会人になりたてのころも、依頼を断りきれずやっていたので、計35人ぐらいだろうか。受験直前の冬休みの一週間で、高校物理三年分を一気にやるというような荒行もあった。科目も、ありとあらゆるものをやった。自分自身が得意ではなかった科目も、要望があれば勉強しなおして引き受けたので、古文や倫理社会も教えたことがある。しかし、今では、いろんな受験知識もテクニックも忘却の彼方となっていた、はずであった。

さて、先週、親しい友人から、お子さんの勉強を見て欲しいという相談があった。今さら教えられるはずもなく、どうしたものかというところだったのだが、勉強自体ではなく、勉強のやり方をということだったので、あまり考えずに引き受けることに。

そのお子さんは習い事をされていて、そのためまとまった勉強時間をとることができない、という悩みがあり、とにもかくにも効率のいい勉強方法を教えて欲しい、とのこと。以下、事前準備なしで、その場で考えて応答したものを後でまとめなおしたメモとなっている。

事前に断っておくと、創造性を育むとか、そういう勉強法とは無縁の、かけた時間に対するリターンだけを考慮した、ROI重視の身もふたもない手法である。

<勉強の基本>
かけられる時間があまりない受験生の場合、効率を考えるべき。かけた時間に対するリターンを最大にするということに徹する。例えば、現国は学んでもあまり点数はあがらないことが多い。国語の場合やるべきは古文と漢字である。できるだけ暗記で「カタ」がつくものを選ぶ。

  1. まず目標に対してやるべきことの全体を把握する。
  2. 1に関して、わかっていることとわかっていないことの分類作業を行いやすいマテリアルをつくる(単語カードや京大カードがお薦め)。この作業で暗記のためのベースが作成される。
  3. マテリアルを使って分類作業を行う。これを勉強と勘違いしてはいけない。勉強しているのに、勉強ができない子供はけっこうこのパターンが多かった。
  4. わかっていない部分の暗記と問題の演習。これが勉強である。

勉強自体は暗記ではないが、受験勉強のほぼすべては暗記に還元される。極論するとわからなくてもいい。しかし、わからないと暗記効率が悪いので、ポイントは理解するべき。そこで重要になるのは、暗記する情報の大きさ(Granuarity)である。ポイントだけでは役に立ちにくいので、ポイントを含んだ情報の大きさを科目別に見出すことが重要。

「身につける」とはよく言うが、例えば単語語の場合は、日本語を言われたら、それを含む英文を暗唱できることが、その定義となる。各科目分野で「身に付ける」は異なる(たぶん)。

参考書は、一冊を頭からおしりまでやるのが大事。あまりたくさんに手は出してはいけない。

<時間の使い方>
ポモドーロ方式:25分を1セットにして5分休む。1セットの内容を記録する。もちろん人によって、25分を長くしたり短くしたりするのはOK。

メインの勉強とサブ勉強(ポモドーロの休憩時間に息抜き用の勉強材料をこなす)を組み合わせるのは、人によるがお薦めできる。

一週間で何セットできるかを大体把握しておきたい。

<英語>
英単語熟語:例文カード作成と暗記(カードを作る過程でけっこう覚える)
語源系カード:未知の単語と出会ったときの訓練になる。
英文法:パターン例文カード
長文は早めに始めると効率が悪いので後回しにする(志望大学の過去問中心で)。
英作文は、単語で例文を覚えまくるので特に無理してやらなくてもだいじょうぶ。

<数学>
実は暗記ものである。ただし、暗記の単位は問題であり、公式ではない。公式は英語の単語に相当するが単語だけを覚えても役に立たないのと同じく、問題を覚える。ただし、まったく同じ問題が出ることはないので、結果的に「解く」ことになる。

ただし、分野ごとの代表問題の選択が難しい。これは参考書の選択がすべてである。これを元に問題と答えのカードをつくっていく。

<国語>
試験の直前に、古文の単語の暗記をするぐらいで充分。逆に…古文を日本語だと思って読めば何とかなる、というのは誤り。外国語だと思ってやる。現国は漢字が苦手なら、ひたすら暗記。

<プロジェクト・マネジメント>
受験勉強はプロジェクトマネジメンである。そして、それを自分でやれるか、人にやってもらうか、となる。当然、自分でやれるようにしたいところ。

プロジェクトをサブプロジェクトに分解し、タスクに分解する。タスクは、いろんな時間単位が考えられるが、ポモドーロの1セット、1日、1週間などで自分に合ったものを選ぶ。あまり細かいと管理が大変で、勉強自体ができなくなる。

なお、受験の場合、タスクの属性は、繰り返しの有無、期日(繰り返しなしの場合)ぐらいで充分。ただ、タスク管理は、何かツールを使うと便利。

2015年4月12日日曜日

三鷹ネットワーク大学/語学体験講座「アラビア語」

講師:アジア・アフリカ語学院・石黒忠昭氏(文章は少し修正したが自分の友人のK氏)

今のアラブの状況はうまく説明できない。これまでとはつながらない。アラブの大半はオスマン帝国が支配していて英仏が入り込んできた。イラク、シリアという国を作ったのは英仏の都合だった。テーブルの上で話し合った。アラブの人のことは何も考えていないかった。

ある評論家は「何百年単位の大きな波だった」という。イラクは人工的に作られた。イラク王国の王はまったく別のところから連れて来たものだった。ISは「英仏が勝手に国を作ったのではあれば、自分たちもいいだろう」という論理。バグダディは「十字軍に対する仕返しだ」と。彼らは純粋なイスラムの国を作ろうとしている。彼らはイスラムを利用しようとしている。

IS地域にいる外国出身者は25000人。欧州からIS地域に渡った人はほとんどが移民の2世、3世。フランスの移民はほとんどがモロッコ、アルジェリアなどマグレブ地域出身。彼らの子たちは「仕事がない」「差別されている」と不満を持っている。

「十字軍の時代からのことが来ている」という指摘があり、そうなのかもしれない。アラブにはちゃんとした議会制民主主義の国はない。独裁者でないとアラブは収められない。「アラビアのロレンス」の中に「アラブは砂のようなものだ。ぎゅっと握っておかないと」というセリフがある。日本とは国の成り立ちがまったく異なる。

イエメンもリビアは大変なことになっている。カダフィはそんなに悪い人だとは思わない。サウジアラビアがひっくり返ると大変なことになる。しかしサウジだけは米国がしっかりと守る。石油が守っているから。

何か起きるとアラビア語を学ぼうとする人が増える。喜んでいいのかどうか。

通常、アラブ連盟の加盟国を「アラブ」と呼んでいる。アラビア語を母国語とする人はすべてアラブ人。イスラム教徒でないアラブ人がいる。エジプト人口の8%はコプト人(キリスト教徒)だ。「アラブ人=イスラム教徒」でない。アラビア語ができない人はアラブ人ではない。「アラブ」は言語で規定されている。こういう分類の仕方は珍しい。アラビア語を話す3億5000人のうち9割はアラブ人だ。

なぜそういう分類をするのか。彼らはアラビア語に強い愛着を持っているからだ。コーランはアラビア語で書かれているからだ。コーランこそが絶対的に正しいアラビア語の鏡だ。コーランは神が書いたものなので間違いはない(はず)。

イスラム諸国会議機構(OIC)に加盟する国は西アフリカにも多い。アラビア語はサハラ地域をどんどん南下しており、最終的にも飲み込まれてしまうのではないか。アラブから南米に移民する人が多かった。日本の比ではない。カルロス・ゴーンの両親はレバノン人で、彼はブラジルに移民した。

日本はイスラム教徒が最も少ない国の一つ。イスラム教徒は1万人程度。イスラム教徒になりたいと思ったことはない。豚肉を食べられず、ビールが飲めなくなるからだ。

「中東」の中に「アラブ」が含まれる。「イスラム」となるともっと広くなる。日本はアラブ世界と直接接触することはなかった。初めての接触は石油危機ではないか。第3次中東戦争で石油の輸出を止めたからだった。

イスラム教はわかりやすい宗教だ。神と人間の中間にいるのが「天使」。アッラーが天使ガブリエルが預言者ムハンマドにコーランを伝えた。イスラム世界にも「来世」がある。キリスト教に似て「天国に行くのか地獄に行くのか」の「最後の審判」がある。イスラムの考えでは「すべてアッラーが決めている」と考える。

信仰告白は「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドは神は使徒」という唱えることで、イスラム国やサウジアラビアの国旗にも描かれている。

<以下、アラビア語自体の学習>

「アラビア語の文字は難しい」というのはうそ。毎日1時間も勉強すれば自分の名前ぐらい書ける。大文字・小文字の区別はない。通常、アラビア語のアルファベットは28文字しかない。文字の上下に付けられる「・」の位置や数が変わることはない。ずっと簡単。ただし文法は難しい。

<アルファベット>
1個めのアリフ以外はすべて子音。28文字のうち外国人が注意しないといけないのは以下のもの

6:Haは寒いときに息を手に吹きかける「ハー」
7:Khaは「いびき」のような「ハー」
10:Raは舌を震わせる巻き舌のような「ラ」
14から17まで: 重厚音と呼ばれるグループ。すべて日本語にはない音。
18:Aynのどの奥から出す「アイン」。
19:Ghayn はうがいの音。

20以降は、英語の音と同じ。

30のターマルブータ:3のTaがつながったもの。発音は同じで書き方が異なるだけ。「閉じたTa」と呼ばれることもある。女性形を表す文字で、女性の名はこれで終わることが多い。

22から25は英語のKLMNと同じ順番。これは偶然ではなく、フェニキア文字に由来する。アルファベットという言い方そのものが、最初の三文字、アリフ、バー、ターに由来する。

母音は書かないが、小学校の教科書では母音記号をつけることがある。コーランには必ず母音記号がついている(間違った読み方は許されない)。

アラビア語もアクセントはあるが、重要ではない。

ペルシャ語もアラビア文字を使うが、言葉はまったく異なる。イラクはアラビア語、イランはペルシャ語を使う。

言語としてはヘブライ語に近い。文頭に動詞、そのあと主語、そのあと目的語の順番。主語と動詞の順番を変えることも可能。名詞には格変化(主格、属格、対格)がある。

簡単な読み物が読めるようになるのに1、2年かかる。「アラビア語は暗記と根気と年期が必要」と言われている。